倒産経験者だからこそお伝えできることがあります。
公正証書の条文による財産の強制執行に注意が必要でした。
債権者から「公正証書による支払の約束」を求められ応じていました。
公正証書には「強制執行ができる旨の条文」が入っていました。
破産申立の前に財産(売掛金)を強制執行されるところでした。
売掛金を倒産手続き費用に充当する予定でしたので、
強制執行されれば倒産手続き費用の準備ができなくなるところでした。
公正証書に強制執行の条文が入っている場合には、
金銭債務の履行をしないと裁判手続き無しに即刻財産を強制執行されます。
倒産手続き費用を売掛金等の財産で充当する場合には注意が必要でした。
弁護士に受任をしてもらえば、強制執行の問題は弁護士が解決してくれるものと思っていました。
公正証書による強制執行は、弁護士でも対処できないことを知りませんでした。
公正証書による強制執行の知識が不足していました。
お伝えをしたいこと
公正証書による強制執行には注意が必要です。
倒産の前には取立のトラブルにより、債権者が「公正証書による支払の約束」を求めてくることが多分にあります。
公正証書には強制執行の条文が入っています。
公正証書に強制執行の条文が入っていると、裁判所に申立をすること無く強制執行ができることとなります。
弁護士受任の段階では、公正証書による支払の約束を履行しないと、強制執行が行われてしまいます。
弁護士は、受任をした段階では強制執行を止めることができません。
お教えをしたいこと
公正証書による強制執行は「破産申立」をしていれば裁判所の停止命令により一時的に停止されます。
この裁判所の停止命令は一時的なものであり、強制執行が無効となるわけではありません。
「破産申立」が終結し「免責申立」が認められると、公正証書による強制執行は無効となります。
私の教訓
- 倒産前に安易に公正証書による支払の約束をするべきではありませんでした。
- 公正証書により約束をした支払期日の前に「破産申立」をすることが必要でした。
- 「破産申立」をすることで一時的に強制執行を停止できることを知っておくべきでした。
- 「免責申立」が認められると強制執行が無効になることを知っておくべきでした。
- 弁護士に受任をしてもらえば強制執行を止めてもらえるものと思っていました。