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国民健康保険とは…
- 国民健康保険法を根拠とする法定強制保険の医療保険です。
- 医療保険事務上の略称として「国保」とも呼ばれ、国民健康保険税として徴収されます。
- 日本のユニバーサルヘルスケアの中核をなす制度です。
国民健康保険について知っていきたいこと
- 国民健康保険料は個人の税に相当します。
- 個人の税に相当するため、未納の国民健康保険料は破産申立時に免責許可の対象になりません。
- 注意が必要です。
YTOからのアドバイス
- 国民健康保険料は免責の対象にならないため、破産申立前に納付を済ませておくべきです。
- 破産申立前に納付をしても差支えありません。
- 国民健康保険料は優先債権になるため、破産申立前に納付を済ませても偏頗弁済には該当しません。
- 国民健康保険料は免責の対象にならないため、未納付の国民健康保険料は破産申立後でも弁済する必要があります。
- 注意が必要です。
廃業届とは…
- 事業をやめる際、行政等に提出しなければならない廃業にかかわる書類です。
- 建設業・建築業の場合、廃業届により建設業登録・建築士事務所登録等を抹消します。
廃業届について知っておきたいこと
- 登録(ライセンス)により業務をおこなっている会社は、破産申立の際に廃業届の提出が義務付けられています。
- 破産管財人からも廃業届の提出を命じられるため、登録(ライセンス)証等を事前に準備しておく必要があります。
YTOからのアドバイス
- 行政に廃業届の提出の仕方等をあらかじめ確認しておく必要があります。
- 事前に廃業届等の書類を準備しておく必要があります。
- ただし破産申立後は破産管財人や弁護人からさまざまな作業(破産手続き等の確認)を命じられます。
- そのため破産申立前に廃業届の準備をしておき、破産申立と同時に廃業届を提出できるよう準備を進めておくべきです。
コロナ倒産とは…
- 新型コロナウイルス関連による倒産の総称です。
- コロナ倒産が起こり得るのは以下のような場合です。
- 新型コロナウイルスの影響で売上が減った場合。
- 収益が回復せずコロナ融資等の返済原資が確保できない場合。
コロナ倒産について知っておきたいこと
- コロナ倒産は建設業・卸売小売業・飲食業で多く見られます。
- コロナ融資等への返済原資が確保できず、やむを得ず返済を諦めて倒産をするケース(=諦め倒産)が増えています。
- 新型コロナウイルスの影響で売上が減り、既存の借入金の返済猶予手続き(リスケ)も延長打ち切りになって諦め倒産をするケースも増えています。
YTOからのアドバイス
- 以下のような状況になると返済が再開した途端にキャッシュアウトによる資金ショートが生じます。
- 収益が戻らずコロナ融資等の返済原資が確保できない場合。
- 返済猶予(リスケ)の延長ができない場合。
- このような状況になり資金ショートが生じる前に倒産を決断する必要があります。
- ただし手元資金がなくなると破産手続きもできなくなるため注意が必要です。
- 手元資金があるうちに再起を目指して破産申立をすることも選択肢のひとつです。
補助金とは…
- 政府が、企業や個人などに対しておこなう一方的な現金給付のことです。
- 国または地方公共団体が、企業や個人などに対して行政上の目的・効果を達成するために一方的に支出する現金のことです。
補助金について知っておきたいこと
- 補助金を受給したものは法令(補助金適正化法)に従い、善良な管理者をもって適正に補助事業等をおこなわなければいけません。
- 補助金を他の用途に使用することは禁じられています。
- 補助金を他の用途に使用した場合、交付決定が取り消しとなり返還を命じられる可能性があります。
YTOからのアドバイス
- 補助金を受給している場合、交付状況を資産目録の公的扶助欄に記載して報告しなければいけません。
- また破産管財人によって補助金の使用・使途を調査される場合があります。
- 補助金が交付目的以外(支払・返済等)に使用されていた場合、破産管財人の調査で問題視される可能性があります。
- 注意が必要です。
相続放棄とは…
- 被相続人の財産に対する相続権を放棄することです。
- 被相続人のすべての財産が放棄の対象となります。
- 預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、負債などのマイナスの財産も含まれます。
相続放棄について知っておきたいこと
- 相続を放棄した場合、相続人はプラスの財産もマイナスの財産もいずれも承継できません。
- プラスの財産だけの承継はできません。
- マイナスの財産だけの放棄はできません。
YTOからのアドバイス
- 破産申立をした際に相続手続きが発生している場合、相続財産は資産として裁判所に報告をしなければいけません。
- 相続手続きが完了するまで破産手続きはできなくなります。
- ただし相続放棄をすれば破産手続きは進められます。
- 相続放棄は「相続人である」と本人が知った日から3か月以内に申し出なければいけません。
- 3か月を経過すると相続放棄はできなくなります。
- 注意が必要です。
相続とは…
- 死亡等の事情により、その人の法律関係を中心とする財産上の地位を受け継ぐことです。
- 死亡等の事情により、その人のさまざまな権利・義務を包括的に受け継ぐことです。
- 主に親族関係にある者が受け継ぎます。
相続について知っておきたいこと
- 破産申立の際に相続手続きが発生している場合、その相続財産は破産申立時に報告する資産に該当します。
- 相続財産は資産目録に計上し、裁判所に報告をしなければいけません。
YTOからのアドバイス
- 相続手続きが発生している場合、相続手続きが完了するまで破産申立はできなくなります。
- 破産申立時に相続手続きが生じた場合、破産管財人は相続財産を差押えします。
- 破産申立時に相続手続きが生じた場合、相続財産を報告しなければいけません。
- 報告を忘れると資産隠しを疑われますので注意が必要です。
手当とは…
- 基本となる給料のほかに、諸費用として会社が雇用者に支払う賃金です。
- 解雇時に使用者は雇用者に対して手当も支払う必要があります。
手当について知っておきたいこと
- 手当には子供手当や医療手当等(公的手当)があります。
- 手当には国が個人に給付する給付金や都道府県が個人に給付する給付金等があります。
- 破産申立時にはこの手当等の給付金の受給状況を『資産目録・個人』に記載して報告しなければいけません。
- さらにそれらの受給証明も提示しなければいけません。
YTOからのアドバイス
- 受給した手当は破産申立をしても没収の対象にはなりません。
- しかし手当の受給口座が債務のある金融機関になっている場合、口座凍結で差押えられてしまうため注意が必要です。
- 破産申立をする場合、事前に手当の受給口座を債務のない金融機関の生活口座に変更しておく必要があります。
キャッシングとは…
- 手持ちのクレジットカードや金融機関専用カードローンカードを使い、ATM(銀行・コンビニ等)やインターネットから現金借入ができるサービスです。
キャッシングについて知っておきたいこと
- キャッシングは借入債務に当たります。
- 破産申立時には債権者リストの金融覧に以下を記載する必要があります。
- 借入先
- 借入額
- 借入時期
- 直近の返済時期
- 借入残高
- 連帯保証の有無
- 破産申立時にはキャッシングの内容を証明する金銭消費貸借契約書・返済表の提示も義務付けられます。
YTOからのアドバイス
- キャッシングは借入債務に当たるため、破産申立時における債務状況の報告事項なります。
- 破産管財人はキャッシングの借入債務の状況を必ず確認します。
- 倒産直前に返済をした事実が全然ないキャッシングを繰り返していた場合、破産管財人は「返済の意思がなく、意図的に借入をしたのではないか?(詐欺的ではないか?)」と考えて調査することがありますので注意が必要です。
- この調査により詐欺と認定された場合、キャッシングの借入債務が免責不許可事由と認定されて免責許可が得られなくなる可能性がありますので注意が必要です。
勘定科目内訳明細書とは…
- 貸借対照表や損益計算書の勘定科目の内訳を示した決算書のひとつです。
- 法人税法施行規則第35条で規定されており、提出が義務づけられています。
- 決算日の翌日から2か月以内にその他の必要書類とともに税務署に提出しなければいけません。
勘定科目内訳明細書について知っておきたいこと
- 勘定科目内訳明細書は貸借対照表や損益計算書の勘定科目の内訳を示した決算書類です。
- 勘定科目内訳明細書は破産申立時に提示が義務付けられます。
- 勘定科目内訳明細書は直近2年分の提出が義務付けられます。
YTOからのアドバイス
- 勘定科目内訳明細書には債権状況(売掛科目・貸付科目・資産科目等)が記載されるため、破産管財人は必ず確認します。
- 破産管財人は破産申立時に提出をする資産目録の報告状況と、勘定科目内訳明細書に記載された債権状況に齟齬がないかを必ず確認します。
- 破産申立時に提出をした資産目録の報告状況と勘定科目内訳明細書の記載状況に齟齬がある場合、破産管財人から再三に渡り事情聴取を受けることになりますので注意が必要です。
財務諸表とは…
- その会計年度における会社の利益・損失の内容・会社の財政状況の内容を報告するための書類です。
- 財務諸表は会計規則上の呼称です。
- 財務諸表は一般的には「決算書」と呼ばれます。
財務諸表について知っておきたいこと
- 財務諸表は貸借対照表と損益計算書から構成される会計規則上の書類です。
- ⇒貸借対照表には、資産と負債の内容が記載されます。
- ⇒損益計算書には、売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益の内容が記載されます。
- 財務諸表では上記により会社の業績等を正確に報告することが義務付けられています。
- 意図的に正確に報告をしない場合には粉飾決算として問題となることがあります。
YTOからのアドバイス
- 財務諸表は会社の経営状況・会社の経営実態を正しく把握するための書類です。
- そのため1会計年度ごとの作成が義務付けられています。
- 破産申立時には直近2年度分の財務諸表の提示が義務付けられます。
- 破産申立時に決算をしていない場合(未決算状態)、破産申立が受理されない可能性があります。
- 注意が必要です。
- また粉飾決算をしている場合、破産管財人により粉飾決算の状況を調査されることになります。
- 注意が必要です。
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