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  1. 換価

    換価とは…

    • 物品の価値を金額に見積もることです。
    • 法的には差押えた財産などを金銭に換えることです。

     

    換価について知っておきたいこと

    • 破産管財人は破産管財業務において、破産者の財産(資産)の換価手続きをおこないます。
    • 換価手続きの対象となる財産(資産)は有価証券動産不動産保険等です。
    • 破産管財人は換価手続きの対象となる財産(資産)を資産目録什器備品リスト棚卸資産リスト等で確認します。

     

    YTOからのアドバイス

    • 破産管財人の主な業務は換価手続きです。
    • 破産管財人は必ず資産目録什器備品リスト棚卸資産リストにもとづいて換価手続きを進めるため、この3つを準備しておく必要があります。
    • この3つの準備が不十分・不適切な場合、破産管財人は換価手続きができなくなります。
    • この3つの準備が不十分・不適切な場合、破産管財人から「準備をするように」と強く命じられます。
    • 注意が必要です。
  • 決算書

    決算書とは…

    • 正式には「財務諸表」と言います。
    • 一定期間における会社の経営状態財務状況を表す書類です。
    • そのなかでも『財務三表』である①貸借対照表・②損益計算書・③キャッシュフロー計算書が重要です。
    • またその内訳明細を表す④勘定科目明細書も重要です。

     

    決算書について知っておきたいこと

    • 決算書の作成は法令により義務づけられています。
    • 未決算の場合には法令違反となります。
    • 未決算の場合には公租公課の確定ができないため未納税状態となります。

     

    YTOからのアドバイス

    • 破産申立の際には決算書の提示が義務付けられます。
    • ⇒直近2年の決算書の提示が義務付けられます。
    • ⇒直近2年の決算書の①貸借対照表・②損益計算書・④勘定科目明細書の提示が義務付けられます。
    • 貸借対照表損益計算書と実際の資金の出納状況の差違が著しい場合、粉飾決算を疑われる可能性があるため注意が必要です。
    • 勘定科目明細資産目録が一致しない場合、資産隠しを疑われる可能性があるため注意が必要です。
  • 固定資産

    固定資産とは…

    • 土地建物機械特許権など販売目的ではなく、継続的に同一形態の営業で使用することを目的とする財産のことです。
    • 固定資産は①有形固定資産と②無形固定資産の2種類があります。

     

    固定資産について知っておきたいこと

    • 固定資産とは土地建物機械特許権など販売目的ではなく、継続的に同一形態の営業で使用することを目的とする財産のことです。
    • 固定資産には法人名義と②個人名義の2種類があります。
    • 破産をしても何かしらの固定資産は残ります。
    • この固定資産を破産申立時に破産管財人に報告しなければいけません。

     

    YTOからのアドバイス

    • 固定資産は破産申立時に必ず破産管財人に報告します。
    • 土地は、資産目録で報告します。
    • 建物は、資産目録で報告します。
    • 機械は、統括表(什器備品)で報告します。
    • 特許権は、資産目録で報告します。
    • 破産申立時に破産管財人は必ず固定資産を確認します。
    • ⇒破産管財人は固定資産状況を必ず確認します。
    • ⇒破産管財人は固定資産換価を必ず確認します。
    • 固定資産の報告の仕方が曖昧な場合、破産管財人から調査されることになるため注意が必要です。
  • 国民健康保険

    国民健康保険とは…

    • 国民健康保険法を根拠とする法定強制保険の医療保険です。
    • 医療保険事務上の略称として「国保」とも呼ばれ、国民健康保険税として徴収されます。
    • 日本のユニバーサルヘルスケアの中核をなす制度です。

     

    国民健康保険について知っていきたいこと

    • 国民健康保険料は個人の税に相当します。
    • 個人の税に相当するため、未納の国民健康保険料は破産申立時に免責許可の対象になりません。
    • 注意が必要です。

     

    YTOからのアドバイス

    • 国民健康保険料は免責の対象にならないため、破産申立前に納付を済ませておくべきです。
    • 破産申立前に納付をしても差支えありません。
    • 国民健康保険料は優先債権になるため、破産申立前に納付を済ませても偏頗弁済には該当しません。
    • 国民健康保険料は免責の対象にならないため、未納付の国民健康保険料は破産申立後でも弁済する必要があります。
    • 注意が必要です。
  • コロナ倒産

    コロナ倒産とは…

    • 新型コロナウイルス関連による倒産の総称です。
    • コロナ倒産が起こり得るのは以下のような場合です。
    1. 新型コロナウイルスの影響で売上が減った場合。
    2. 収益が回復せずコロナ融資等の返済原資が確保できない場合。

     

    コロナ倒産について知っておきたいこと

    • コロナ倒産建設業卸売小売業飲食業で多く見られます。
    • コロナ融資等への返済原資が確保できず、やむを得ず返済を諦めて倒産をするケース(=諦め倒産)が増えています。
    • 新型コロナウイルスの影響で売上が減り、既存の借入金の返済猶予手続き(リスケ)も延長打ち切りになって諦め倒産をするケースも増えています。

     

    YTOからのアドバイス

    • 以下のような状況になると返済が再開した途端にキャッシュアウトによる資金ショートが生じます。
    1. 収益が戻らずコロナ融資等の返済原資が確保できない場合。
    2. 返済猶予(リスケ)の延長ができない場合。
    • このような状況になり資金ショートが生じる前に倒産を決断する必要があります。
    • ただし手元資金がなくなると破産手続きもできなくなるため注意が必要です。
    • 手元資金があるうちに再起を目指して破産申立をすることも選択肢のひとつです。
  • キャッシング

    キャッシングとは…

    • 手持ちのクレジットカード金融機関専用カードローンカードを使い、ATM(銀行・コンビニ等)やインターネットから現金借入ができるサービスです。

     

    キャッシングについて知っておきたいこと

    • キャッシング借入債務に当たります。
    • 破産申立時には債権者リスト金融覧に以下を記載する必要があります。
    1. 借入先
    2. 借入額
    3. 借入時期
    4. 直近の返済時期
    5. 借入残高
    6. 連帯保証の有無
    • 破産申立時にはキャッシングの内容を証明する金銭消費貸借契約書返済表の提示も義務付けられます。

     

    YTOからのアドバイス

    • キャッシング借入債務に当たるため、破産申立時における債務状況の報告事項なります。
    • 破産管財人はキャッシングの借入債務の状況を必ず確認します。
    • 倒産直前に返済をした事実が全然ないキャッシングを繰り返していた場合、破産管財人は「返済の意思がなく、意図的に借入をしたのではないか?(詐欺的ではないか?)」と考えて調査することがありますので注意が必要です。
    • この調査により詐欺と認定された場合、キャッシングの借入債務が免責不許可事由と認定されて免責許可が得られなくなる可能性がありますので注意が必要です。
  • 勘定科目内訳明細書

    勘定科目内訳明細書とは…

    • 貸借対照表や損益計算書の勘定科目の内訳を示した決算書のひとつです。
    • 法人税法施行規則第35条で規定されており、提出が義務づけられています。
    • 決算日の翌日から2か月以内にその他の必要書類とともに税務署に提出しなければいけません。

     

    勘定科目内訳明細書について知っておきたいこと

    • 勘定科目内訳明細書は貸借対照表や損益計算書の勘定科目の内訳を示した決算書類です。
    • 勘定科目内訳明細書は破産申立時に提示が義務付けられます。
    • 勘定科目内訳明細書は直近2年分の提出が義務付けられます。

     

    YTOからのアドバイス

    • 勘定科目内訳明細書には債権状況売掛科目貸付科目資産科目等)が記載されるため、破産管財人は必ず確認します。
    • 破産管財人は破産申立時に提出をする資産目録の報告状況と、勘定科目内訳明細書に記載された債権状況に齟齬がないかを必ず確認します。
    • 破産申立時に提出をした資産目録の報告状況と勘定科目内訳明細書の記載状況に齟齬がある場合、破産管財人から再三に渡り事情聴取を受けることになりますので注意が必要です。
  • 源泉徴収票(げんせんちょうしゅうひょう)

    源泉徴収票とは…

    • 法定調書のひとつになります。
    • 給料退職手当公的年金等の支払いをする者の、その支払額源泉徴収した所得税額を証明する書類です。

     

    源泉徴収票について知っておきたいこと

    • 源泉徴収票は毎年1月31日までに税務署へ提出し、支払いの当事者である従業員にも交付しなければいけません。

     

    YTOからのアドバイス

    • 源泉徴収票は毎年1月31日までに税務署に提示し、従業員に交付しなければいけません。
    • 源泉徴収票は破産申立の際に解雇をした従業員が再就職をする場合にも必要となります。
    • 破産申立の前に源泉徴収票の交付準備をしておく必要があります。
    • 源泉徴収票の交付準備をしていないと破産申立後に解雇した従業員に迷惑をかけることになります。
    • 注意が必要です。
  • 雇用保険(こようほけん)

    雇用保険とは…

    • 労働者が失業した場合等に必要な給付をおこうことで労働者の生活の安定求職活動の機会増大等を目的とした保険制度です。
    • 雇用保険の被保険者は原則として労働時間が週20時間以上、かつ雇用見込みが31日以上ある労働者になります。
    • 個人事業主や法人の役員は対象外となります。

     

    雇用保険について知っておきたいこと

    • 雇用保険には受給条件があります。
    1. 所定の書類を提出して求職の申込をした就業の意思のある失業状態にである労働者
    2. 離職の日以前の1年間の被保険者期間が6ヶ月以上ある労働者

     

    YTOからのアドバイス

    • 事業主は事業停止後10日以内に雇用保険被保険者資格喪失届を提出しなければいけません。
    • この雇用保険被保険者資格喪失届の提出が遅れると、被保険者(労働者)の雇用保険受給が遅れることがあります。
    • また被保険者期間が6ヶ月未満の被保険者(労働者)は雇用保険受給の対象者になりません。
    • 被保険者(労働者)が雇用保険受給の手続きをおこなう場合、解雇通知等により被保険者(労働者)の都合による失業ではないとわかる書類が必要になります。
    • 事業主は上記を承知のうえ、雇用保険の手続き準備をおこなう必要があります。
    • この準備を怠ると債権者集会等で問題となる場合があるため、注意が必要です。
  • 現金出納帳(げんきんすいとうちょう)

    現金出納帳とは…

    • 会計帳簿のひとつで、現金の入出金の明細を管理・記録する帳簿です。
    • 現金出納帳は別名で『金銭出納帳』とも言います。
    • 現金出納帳は補助簿のなかの補助記入帳のひとつとして重要な帳簿であり、作成が義務付けられます。

     

    現金出納帳について知っておきたいこと

    • 現金出納帳は会計帳簿として決算に必要となる帳簿です。
    • 破産申立時に必要書類として提示が義務付けられます。

     

    YTOからのアドバイス

    • 現金出納帳は破産管財人が管財業務において必ず確認をする書類です。
    • 破産管財人は不適切な現金の入出金の有無を必ず確認します。
    • 破産管財人は不適切な現金の入出金の疑いがある場合、その状況確認を必ずおこないます。
    • 破産管財人は不適切な現金の入出金偏頗弁済免責不許可事由当たるか否かを必ず確認します。
    • 現金出納帳に不適切な記載があるか否かを事前に確認しておく必要があります。
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