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債権とは…
- 特定の人物に、特定の行為や給付を請求できる権利のことです。
- 例えば金銭の支払を求めたり、物品を受取ったり、労力の提供を求めたりできます。
債権について知っておきたいこと
- 債権を持つ権利者のことを「債権者」と言います。
- 債権者には以下の権利があります。
- 金銭の請求
- 物品の請求
- 労力の請求
YTOからのアドバイス
- 債権は破産申立時に以下を資産目録で報告することになります。
- 法人の債権
- 個人の債権
- 破産管財人が破産者の有する債権を破産申立時に取り立て、配当することになります。
株券とは…
株券について知っておきたいこと
- 株券は『一定の事項を記載し、発行会社の代表取締役が署名・記名押印する』と会社法で定められています。
- 上記の会社法の記載事項が一部欠けていたとしても効用を有する限り、印紙税法上は株券として取り扱われます。
YTOからのアドバイス
- 自社株を株券として発行している場合も有価証券として取り扱われます。
- 破産申立をする場合、発行済の株券は出資者情報として報告する必要があります。
- ⇒出資者ごとに債権者リストで報告する必要があります。
- 会社の倒産が予見できる状況で株券を発行して出資を受けた場合、詐欺に当たる可能性があります。
- 注意が必要です。
出資金とは…
- 会社などの組織が事業などを行う上で必要な資金を調達する方法の1つです。
- 企業理念などに賛同する人が会社の成長を見込んで提供するするお金のことです。
出資金について知っておきたいこと
- 出資金は資産になります。
- 出資金は破産管財人の調査によって回収が可能となる財産に当たります。
- 破産申立時に出資金は法人資産と個人資産に分類し、資産目録に計上して報告する必要があります。
YTOからのアドバイス
- 破産申立時に報告する必要がある主な出資金は以下の通りです。
- 株式会社が発行する株券
- 信用金庫が発行する出資証券
- 信用組合が発行する出資証券
- ETC事業者が発行する出資証券
- 上記の出資金は破産管財人が必ず調査をします。
- 出資証券を準備した上で資産目録に計上して報告する必要があります。
退職金請求権とは…
- 労働者が退職金を受け取る権利のことです。
- 会社が倒産しても退職金を受け取る権利は認められます。
- 未払賃金立替払制度の対象者である場合は退職金を国に立て替えてもらえる可能性があります。
退職金請求権について知っておきたいこと
- 会社が倒産した時に退職金請求権にもとづいて未払賃金立替払制度を利用する場合、就業規則や退職金規定などで退職金に関する取り決めが文書化されている必要があります。
YTOからのアドバイス
- 退職金請求権にもとづいて未払賃金立替払制度を利用する場合、以下の条件も確認する必要があります。
- 勤務先が1年以上事業活動を行っていた
- 勤務先が法律上または事実上倒産している
- 倒産した会社(勤務先)をすでに退職している
- 上記を確認できない場合、退職金請求権にもとづいた未払賃金立替払制度による一部の退職金の請求ができなくなります。
賃金台帳とは…
- 労働基準法等を根拠として事業場に備えておかなければならない法廷帳簿のひとつです。
- 労働者の賃金額や計算基礎となる事項を記載した書類です。
賃金台帳について知っておきたいこと
- 労働基準法第108条で「使用者は事業場ごとに賃金台帳を調整し、賃金計算の基礎となる事項・賃金の額・その他厚生労働省で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない」と定められています。
- 使用者は賃金台帳の準備が義務づけられます。
YTOからのアドバイス
- 破産申立時に給料の未払いがある場合、破産管財人は状況を確認するために賃金台帳の提示を求めます。
- 破産申立時に給料の未払いがある場合、賃金台帳を準備しておく必要があります。
- この時に「賃金台帳を準備していない」は上記の法令により通用しません。
- 注意が必要です。
資産譲渡とは…
- 将来収益をもたらすと期待される資産を、その同一性を保持しつつ有償または無償で他人に譲渡することです。
資産譲渡について知っておきたいこと
- 資産譲渡の主な対象は動産・不動産です。
- ⇒動産とは車・物品等です。
- ⇒不動産とは土地・建物等です。
- そのほかにも現金・有価証券等も資産譲渡の対象となります。
YTOからのアドバイス
- 破産申立時の資産譲渡は破産管財人による調査対象となります。
- 一般的に直近2年前までの資産譲渡が調査対象となります。
- 調査対象となる代表的な資産譲渡は以下の通りです。
- 現金・有価証券の譲渡
- 土地・建物の譲渡
- 車・物品の譲渡
- 不適切な資産譲渡と判断された場合、破産管財人から返還等を命じられる可能性があります。
- 注意が必要です。
現金出納帳とは…
- 会計帳簿のひとつで、現金の入金と支出の明細を管理記録する帳簿のことです。
- 現金出納帳は別名「金銭出納帳」とも言います。
- 現金出納帳は補助簿における補助記入帳のひとつで、非常に重要な帳簿です。
- 現金出納帳は単式簿記です。
現金出納帳について知っておきたいこと
- 預金口座からの振替記録
- 預金口座への振替記録
- 現金入金
- 現金支出
- 現金出納帳は決算書作成時の勘定科目内訳明細のもととなる管理記録の帳簿です。
- 決算と相関関係がなければいけない重要な帳簿です。
YTOからのアドバイス
- 破産申立時には現金出納帳を必ず提出する必要があります。
- 一般的には当期分の現金出納帳の提示が必要です。
- 破産管財人は現金出納帳を必ず確認します。
- 破産管財人は現金出納帳により不適切な現金振替の有無を必ず確認します。
- 破産管財人は現金出納帳により不適切な現金使途の有無を必ず確認します。
- 破産申立時には現金出納帳の提示が義務付けられるため、事前に当期分の現金出納帳を準備をしておく必要があります。
再リースとは…
- 契約にもとづいてリース期間満了後もリース資産の使用を継続することです。
再リースについて知っておきたいこと
- リースの継続(再リース)には再リース料の支払いによる更新手続きが必要です。
- 再リースの手続きは年額基本リース料の1/12程度を再リース料として支払うことが一般的です。
- 再リースの手続きは更新事項として契約に盛り込まれていることが一般的です。
YTOからのアドバイス
- 倒産をしても再リース資産(車・パソコン等)を継続使用することは可能です。
- ただし一定評価額以下の再リース資産(車・パソコン等)に限られます。
- また再リース資産(車・パソコン等)を継続使用するための手続き履歴や再リース料の支払い履歴を破産申立時に破産管財人に報告して許可を得る必要があります。
予納金とは…
- 破産手続きを行う際、手続きにかかる最低限の費用としてあらかじめ裁判所に納める費用のことです。
予納金について知っておきたいこと
- 破産手続きにかかる費用はあらかじめ支払わなければいけないため、予納金の納付は破産手続きの開始要件となっています。
- 裁判所によって命じられた予納金を支払わなかった場合、破産手続き開始の申立は却下されます。
YTOからのアドバイス
- 予納金の大部分は破産管財人の報酬に充てられます。
- そのため下記の場合は注意が必要です。
- 破産管財人の調査業務が多くなる場合
- 破産管財人の対処業務が多くなる場合
- 破産管財人の仕事量が多い場合、予納金は高額になる可能性が高いです。
- 逆に破産管財人の仕事量が少ない場合、予納金は安くなる可能性が高いです。
- 破産申立の準備を十分にして破産管財人の仕事量を少なくしておく必要があります。
退職金請求権とは…
- 就業規則・労働協約・労働契約等によって規定された、労働者に支給される退職金を請求する権利のことです。
- 破産申立をする際に労働者の債権として債権者リストに計上します。
退職金請求権について知っておきたいこと
- 退職金請求権は、破産手続きにおいて原則として退職金の1/8の金額が破産財団に組み込まれ破産者の財産となります。
- 破産者にも退職金請求権が認められます。
YTOからのアドバイス
- 退職金請求権は、破産者にも請求権が認められます。
- しかし退職金を支払う原資がない場合には支払請求はできません。
- また退職金制度の規定がある場合、破産者であっても退職金請求権にもとづき退職金を請求できる場合があります。
- 退職金請求権にもとづいて退職金の請求ができるか否かを破産申立前に確認をしておく必要があります。
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